会長挨拶
会長 佐伯 秀久
日本医科大学大学院皮膚粘膜病態学分野 教授
この度、2025年11月28日(金)~30日(日)の3日間にわたり、東京都新宿区の京王プラザホテルで、第55回日本皮膚免疫アレルギー学会学術大会を開催させて頂くことになりました。本学術大会の前身として日本医科大学では、1990年に本田光芳名誉教授が第20回抗原研究会を、2010年に川名誠司名誉教授が第33回皮膚脈管膠原病研究会を開催されました。今回15年ぶりに本学術大会を開催させて頂くことは大変光栄なことであり、まずは心より感謝申し上げます。新型コロナウイルス感染症も落ち着いて参りましたので、本学術大会は完全現地開催で準備を進めております。
皮膚免疫アレルギー学はとても奥行の深い学問分野と考えております。扱う疾患もアトピー性皮膚炎、蕁麻疹、接触皮膚炎、薬疹、膠原病、血管炎、水疱症、乾癬、脱毛症、食物アレルギーなど、非常に幅広いのが特徴です。本学術大会の歴史を振り返っても、抗原研究会、皮膚脈管膠原病研究会などを前身とし、日本皮膚アレルギー学会、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会などを経て、日本皮膚免疫アレルギー学会に至った経緯があり、扱う領域の幅広さを物語っております。また、アレルギー学は内科、小児科、耳鼻科、眼科、基礎医学などの他領域と重複するテーマも多く、学際的なアプローチが必要な領域でもあります。後述する招待講演では、その点も加味してご講演をお願い致しました。皮膚という臓器を通して、免疫アレルギー学を幅広く、奥深く学びたいとの願いを込めて、本学術大会のテーマを「皮膚から免疫アレルギーの深淵に迫る」と致しました。
特別講演では、University of California DavisのDermatologyの教授であるSam Hwang先生に、乾癬に関して病態を中心にご講演頂きます。招待講演1では、東京大学医学部免疫学教授の高柳 広先生に、関節炎の病態と治療に関してご講演頂きます。招待講演2では、東京慈恵会医科大学遺伝学教授の玉利真由美先生に、アレルギー疾患のゲノム解析に関してご講演をお願いしております。招待講演3では、日本医科大学先端医学研究所細胞生物学教授の岩井佳子先生に、メラノーマを含めたがん免疫についてご講演頂きます。招待講演4では、国立成育医療研究センター免疫アレルギー・感染研究部アレルギー研究室室長の森田英明先生に、免疫アレルギー疾患研究10か年戦略に関してご講演をお願いしております。他にも、シンポジウム1~9、スポンサードシンポジウム1~2、ハンズオンセミナーなどを企画致しました。皮膚免疫アレルギー学を楽しく幅広く学べる場を提供できればと願っております。
有意義な学術大会になるよう、教室員一同、鋭意準備を進めて参りますので、全国から多くの皆様にご参加頂ければ幸いです。